列車の旅
北京を離れて少し長く旅をしていたので、更新が空いてしまいました。
今回もそうですが、広い中国を移動する際に近頃は飛行機が多くなってきたとはいえ、まだまだ列車で移動することも良くあります。特に高速鉄道は路線が多く、時間が正確ということもあり、確実に移動したい時には重宝しています。遅延や欠航も少なくない国内線よりも高速鉄道や寝台列車といった列車は意外と便利だったりします。私自身は特に列車好きという訳ではないのですが、中国の長距離列車はかなり多く利用している方で(当然ながら北京散歩の中では中国人スタッフも含めて一番多いです・・・)、楽しく確実に移動したい時にはやはり列車を利用します。
北京には大きな鉄道駅が4つあります。
1つはこの写真の北京駅。最も古く趣のある建物の駅舎で、利用せずとも外観を眺めるだけでもノスタルジックな気分になれる駅です。ロシアやモンゴルへの国際列車や本数はそれほど多くはないものの国内線の寝台列車などが発着しています。
もう1つは北京西駅。アジアで最も大きい駅舎で、その広さには圧倒されます。各地への寝台列車の起点となる駅の中心はこの駅です。びっくりする程にたくさんの長距離寝台列車が発着していて、ホームから停まっている列車の長めは圧巻です。他にも高速鉄道の駅としても利用されています。
高速鉄道は主に北京南駅から発着しています。上海などへの高速鉄道はこの駅からになります。南駅もスケールが大きくて日本では考えられないほどの規模を持っています。
北京北駅はモンゴル方面への一部の長距離寝台列車や北京近郊への郊外列車の起点となっています。
日本では殆どなくなってしまった寝台列車ですが、中国ではまだまだ現役で多くの人々に利用されています。昔は汚いとかうるさくて耐えられないなんて言われていましたが、今ではかなり整備されて結構快適に移動できるようになりました。特に北京発着の列車は政府要人が利用することが多いために車両がきれいなことが多いとか。もちろん利用する路線や管轄する鉄道局によっても変わりますが、私が今まで利用した列車は概ねきれいなことが多かったです。特に青蔵鉄道は日本の寝台列車かと思うほどにきれいでした。
人々の収入も上昇して、一昔前は軟臥(日本で言うA寝台)は外国人か一部のお金持ちしか買わない切符などと言っていましたが、今では最初に売り切れるようになり、高速鉄道も商務座(グランクラス)や1等座(グリーン車)から売り切れるようになっています。変わりましたね。
寝台列車の場合は短距離の路線以外、食堂車も健在です。距離の長い列車は途中駅でその土地の食材を仕入れるので、通過する場所の名産品を使った料理を楽しむこともできたりします。これは車内で販売されるお弁当も同様です。食堂車で作ったホカホカの作りたてのお弁当が車内で販売されます。これも寝台列車の旅ならではの楽しみです。
コンパートメントで一緒になった人とお茶を飲みながら交流したりすることも良くあります。色々なところから来る人が多く、筆談を交えながら話が盛り上がったり、日本のことを色々と聞かれることも。一般の中国の人は日本好きが多いので、食べきれないほどのお菓子や果物をもらったり、楽しく盛り上がることが多いです。
長距離寝台列車の楽しみは景色もあります。北京を出てしばらくは華北の景色であったのが、翌朝目覚めると華南の景色に変わっていたり・・・緑の色や水の色が変わる様は何度見ても感動します。
そんな寝台列車ですが、ここ数年は高速鉄道に変わってしまう路線も増えてきて、寝台列車はかなり本数が減ってきてしまいました。いつまでも庶民の足として残して欲しいと思います。時間はかかりますが、寝台列車の旅って結構いいと思います。
利便性ではダントツの高速鉄道も快適です。日本の新幹線と殆ど変わらない清潔さと時間の正確さで、確実に移動をしたい時には高速鉄道利用がおすすめです。実際、国内線よりも時間が正確、確実なので仕事などで移動する場合は高速鉄道の利用が増えています。
座席にも色々あり、一般席にあたる2等座からグリーン車にあたる1等座、グランクラスに該当する商務座はフルフラットシートでとても快適に移動できます。トイレもとてもきれいで頻繁に掃除するほどの快適さです。そんなこともあってか商務座から満席になることも少なくないようです。
北京散歩では北京発着の列車乗車券の購入代行も行っています。
国内の路線は今は日本からでも購入できるようになりましたが、ロシアやモンゴルへの国際列車は中国語が堪能で北京にいないと手配がなかなか難しいため、チャーター車に続く密かな人気オプションとなっています。
また、国内の路線でも日本から旅行代理店を通して予約購入しても、実際に乗車券の引き換えは自分で駅などに行って行う必要があることが殆どです。これが外国人には結構大変なのですが(駅や時間帯によっては本当に大変です・・・)北京散歩では乗車券発券まで行ってお渡ししています。中国語に自信がない、時間が少ないという方におすすめです。
列車の旅もいかがですか?